厚生労働省は、2025年以降、日本全体の少子高齢化にともない、介護サービスの需要がこれまでより増大・多様化し、介護福祉分野での人材不足もさらに深刻化すると予測しています。
こうした状況を踏まえ、限りある資源を有効に活用しながら、質の高い効率的な介護サービス提供体制を確保する必要があり、その手段の一つとして「介護DX」が注目されています。しかし、「介護のDX化ってなに?」「具体的にどうすればいいの?」など、さまざまな疑問があるかもしれません。
本記事では、介護DXの概要や現状の課題、メリットなどについてわかりやすく解説します。介護DXに関して悩みをお持ちの方は、ぜひご一読ください。
介護DXとは

介護DXとは、介護現場においてデジタル技術を活用し、業務の効率化やサービスの質向上を目指す取り組みのことを指します。パソコンやタブレットなどのデジタルツールを導入するのみならず、介護業務や施設全般の変革を意味します。
具体的には、介護記録を紙から電子化する、介護施設利用者などの情報共有が可能なシステムを導入する、介護ロボットを活用する、などが挙げられます。
介護業界の現状課題
高齢化による介護ニーズの増大
高齢化が進む日本では、2040 年頃に向けて団塊ジュニア世代が65歳以上となり高齢者人口がピークを迎え、要介護認定率が高く医療・介護の複合ニーズを有する方が多い85歳以上人口が増加するなど、介護サービスの需要が増大することが見込まれています。
参考元:厚生労働省「介護DXの推進」
深刻な人手不足

画像引用元:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(別紙1)」
介護業界における人手不足について、厚生労働省は、2026年までに約25万人、2040年までに約57万人不足すると推測しています。主な背景には、低賃金、職員同士の人間関係や利用者からのハラスメントといった労働環境の悪さなど、精神的・肉体的に負担の大きな業務内容といったことが挙げられます。
十分な人材確保のために、これらの問題を解決する必要があります。
介護職員への大きな業務負担
介護業務には、施設利用者の介助における肉体労働に加え、介護記録や報告といった事務作業も抱えており、職員に大きな負担がかかっているのが現状です。これらは離職理由の主な原因であり、介護業界全体の課題でもあります。そのため、事務作業の効率化、労働時間の短縮、介護ロボットの導入などにより労働環境を整備する必要があります。
介護DXのメリット
業務の効率化

近年では、さまざまな介護業務効率化ツールが登場しています。例えば、介護記録などの書類をかんたんに作成・管理できるソフトウェア、職員間のコミュニケーションが円滑になる便利なコミュニケーションツール、カメラで施設利用者の様子を逐次確認できる見守りセンサーなど、多岐にわたります。
これらを導入することで、職員の事務作業を効率化して負担を減らすことが可能です。
人手不足解消に貢献
介護DXが進むことで、業界の人手不足にも貢献できます。見守りセンサーや介護ロボットを導入することで、人間が見回りをする必要がなくなり、業務効率化ツールを利用することで事務作業に時間を取られなくなるため、これまでよりも少ない人員で業務がまわるようになります。
質の高いサービスを提供・維持できる

介護DXの目的は、介護職員の過剰な業務負担を改善することや労働環境を改善することだけではありません。
DX化によってさまざまな事務作業が効率化されると、創出された時間で職員はゆとりをもって仕事を行えるようになるため、利用者はきめ細やかで質の高いケアを受けられます。また、事務作業による長時間労働からの解放、それによる精神的ストレスの軽減などによって、職員はやりがいを感じられるようになり、利用者と職員双方に大きなメリットをもたらします。
介護DXにおける課題
DX化を進められる人材がいない

DX化を推進したくても、介護業界全体で人手が不足している現状では、そのための人材がなかなか見つからないという課題があります。介護DXは、デジタルツールや介護ロボットなどの導入によって完了するわけではなく、それらを使いこなす必要があるため、そうした知見を持った人材がいない場合、導入自体が難しくなります。
導入コストや教育コストがかかる
DX化のためのさまざまな機器の導入には、導入費用をはじめ運用コスト、メンテナンスコストが発生します。加えて、介護職員がそれらの導入方法や使用方法を学ぶ必要があり、時間も教育コストもかかります。
DX化に対する業界全体の意識改革が必要
介護DXを推進するには、現場の介護職員と介護施設経営陣双方のDXへの理解が重要になります。
DX化のためには、職員がさまざまな機器の使い方を理解し利活用できることに加え、それらの機器を導入するためのコスト計算や業務フローの改革が必須になります。そのため、介護業界全体としてDX化への理解を深めるとともに、施設経営陣と職員が一体となって取り組む必要があります。
介護施設の業務効率化ならRESERVA

画像引用元:RESERVA fc
ここまでお伝えしてきた通り、介護DX化はさまざまなメリットをもたらしますが、機器の導入にはコストも労力もかかります。そのため、導入にためらいが生じ、さらにDX化が遅れるということも考えられます。そこで、DX化の第一歩としてご紹介したいのが、予約システムRESERVAです。
RESERVAは、累計導入数35万社を誇る、予約システムシェア国内トップクラスのクラウド型予約管理システムです。業界・業種問わずあらゆるビジネスに対応しており、350種類以上の業態でRESERVAが利用されています。アカウント発行から予約システム作成完了まで最短3分で、永久無料で使えるフリープランもあるため、導入コストを低くしたい、または使用感を確かめてから導入したいといった有料老人ホームの経営者にもおすすめです。
RESERVAを導入することで、予約受付や来訪者管理、決済などを一元化でき、介護施設の運営における業務負担を大幅に減らします。また、予約受付を自動化するため、入居希望者やご家族は24時間いつでも申し込みでき、施設職員は予約対応に追われる心配がなくなります。
まとめ
本記事では、介護DXの概要や現状の課題、DX化を推進するメリットについて解説しました。
現在の介護業界では、施設職員はさまざまな事務作業に追われ、本質的な介護サービスができていない状況です。DX化を進めることで、それらの負担を大幅に軽減し、職員のやりがいアップにつながるほか、介護施設利用者もよりよいケアを受けられるようになります。
介護業界のDX化には多くの課題がありますが、一つひとつ確実に対応していくことが大切です。本記事が、それらの課題を克服し、よりよい介護施設運営を目指している方々の参考になれば幸いです。